ぼくらは仕事で強くなる。

人や組織のこと、事業のこと、働くってこと。LoanDEAL代表のブログです。

始まりと終わりの間で

3月末に限ったことではないのですが、やはり数が多い分、感慨もひとしおです。この3月で4名のレンタル移籍が終わり、また4月から7名の挑戦がはじまります。旅を、戦いを終えて古巣に戻る人たちの少しのさびしさを伴った風景と、不安と期待でまさに高まっている風景が交錯する週末。

 

当初、レンタル移籍をする人たちに対して、「一時的にしかベンチャー企業に所属しない人なんて、そこまで事業にコミットできないんじゃない?」と言われていました。ところがその考えは、見事に裏切られました。期間が決まっているからこそ、終わりが分かっているからこそ、全力になれるということが起こるのです。レンタル移籍をするみんなは半年、1年という限られた時間の中で、結果を出さなくてはいけない、何かを見つけて持ち帰らなくてはいけない。そういう覚悟を持って仕事をするのです。だからこそ、与えられた時間を全力で駆け抜けることができるし、本当に苦しい状況の中でも踏みとどまることができる。

 

そういえば、私の周りでも、「○年で活動はおしまい」とか「来年で解散」という意思決定をする団体があったりします。どうやら期間が決まっていることには大きな意味があるようです。

 

転じて、私個人の話をしてしまうと・・・起業って、本当に終わりなき旅なんだなぁということを、最近つくづく感じています。売上が立たなかった頃は何とか売上が立つように、赤字の時は黒字になるように、一人でやっていた時には仲間が増やせるように・・・どこかで、まだ見ぬ「あそこまでいったら楽になるだろう」というほのかな期待をしながら、日々を過ごしていました。ところが、それは蜃気楼のように、消えてしまう。それ自体が浅はかだったと言われてしまえばそれまでですが・・・。だから、明確に始まりと終わりがあることに、少しのうらやましさを感じずにはいられません。

 

平たく言うと、これって甲子園とプロ野球の違いみたいなものですかね。甲子園の方が瞬間の感動が高い。一生に一度だけの時間、という感じ。だけど、技術としての成熟度は当然プロ野球が勝っているわけですよね。それと同じように、辿り着かないことに嬉しさを感じる自分もいるわけです。

 

ただし、本当はいつかどこかで、旅は終わる。それは起業に限らず、組織に所属して働いている方も同じですよね。

 

そこから考えるに、事業を作るということは、自分の中にある時間軸をいったん取っ払って構想することなのかもしれません。誰も見たことのない高みに向かって技を磨き、気を練り上げていく。どこか途中で終わってしまうかもしれないけれど、それでも挑むのだという覚悟。

 

「いつか終わる」ということを忘れずに、それでも、日々ひとつ上を目指して取り組むことができることに感謝して、明日を迎えたいと思う日曜日の夜です。

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