ぼくらは仕事で強くなる。

人や組織のこと、事業のこと、働くってこと。LoanDEAL代表のブログです。

未練たらたらが理想です。

突然ですが、私は未練たらたらな人生を送りたいと思っています。

これは、もう5年以上前、一緒に働いていた学生アルバイト(当時)のT君から学んだことです。彼は大学院まで進学したので、足かけ4年くらい一緒に仕事をしました。そして、就職が決まって、アルバイトを辞める最後の日の出来事です。たしか、3月31日だったような気がします。(つまり、就職先の入社式の前日までバイトしていたわけです。)

最終日だから、軽く飲みに誘おうかなと思っていても、なかなか仕事を終える気配がない。21時過ぎくらいだったと思います。おもむろに私の席にやってきて、3ページくらいのワードで作られた資料を差し出しました。そこには、彼が担当していた業務や企画についての、今後の進め方や考え方が記されていました。それを一つずつ説明しながら、「あれはもっとこうすればよかった」とか「もっと良い成果が出せるはず」とかコメントして、「じゃぁ」といってなんか自信を無くしたみたいにふらふら帰っていきました。ちょっと飲みに誘うのも気が引ける感じで。

その姿を見ていて、何かすごいと思ったんです。彼が手を抜いて仕事をしていたのならいざしらず、アルバイトという立場であったにもかかわらず、すごく一生懸命に仕事をしてくれていました。それでも、まだできることがあった、もっとやりたいことがあったと思えるというのはすごいな、と。

仕事にせよ、何にせよ、やれることは無限だと思うんです。もちろん、全力を尽くしたうえでの話ですけれども、それを、やりきった!みたいな感じで終わらせてしまうのはあまりにもったいない。もっとやれるんじゃないか、こうやってみたらどうだろう、そういうことにちゃんと気づいて、意識を巡らせながら過ごしていたい。悔いのないように!って言うけど、悔いがなくなったら終わっちゃう。悔いがあっていいんだ、と。

そういうわけで、日々、未練たらたらに過ごそうと思っている次第です。

ガウディという建築家は、事故でなくなる前日、サグラダファミリアの建設現場でこんなことを語っていたそうです。
「諸君、明日はもっと良いものをつくろう。」って。