ぼくらは仕事で強くなる。

人や組織のこと、事業のこと、働くってこと。LoanDEAL代表のブログです。

副業と向き合う組織と個人の一事例

なぜ、社員2人の会社が300社以上の大企業と付き合えるのか。

よく意外に思われるのですがローンディールという会社は、今のところ代表の私と時短社員(週4×6時間くらい)の、2人しか社員がいません。事務所もありません。社員数を聞かれて「2名です」って答え、オフィスは何処かときかれて「ありません」というやり取りはなかなかの気まずさを伴うのですが、そういうことに寛容な企業や人が増えて、ありがたい時代だなぁとつくづく思うわけです。きっと5年前なら門前払いだった気がします。笑

 そんな時代の後押しもあって現在、大企業十数社と契約をさせていただいているわけですが、300社以上の商談済み企業に対するフォローや月1回程度のイベントの企画なども含めてよく2人だけで回っているね、と言われることがあります。さらに、私も極端に長時間労働かというとそういうわけでもなく、週の半分は子供のお迎え、夕食の支度などもやりながらなので、家庭における責任も(最低限は!)果たせているのではないかと…

これは何も私たちがいかに効率的かという話ではなくて・・・社員は2名といいましたが、実態として事業に関わってくれている人はもっとたくさんいて、週1日分くらいのパラレルワーク(複業)のメンバーが5人、案件ごとに副業やプロボノで参画してくれている人が8名、これらの皆さんをすべて合わせると15名ということになります。

備忘という意味も込めてこのような働き方をしている組織において、チーム作りなどで気を付けていることや組織として個人に求めていることなどを書いてみようと思います。

この内容を書くにあたって期待していることが2つあり・・・

1つには、パラレルワークや副業に対する組織側の考えや状況を紹介することが、成長機会を求めて新しい働き方を志向する個人にとって参考になればいいなということ。2つ目の観点としては、新しい組織づくりの参考になるかも、なったらいいな、と。

昨今、副業やパラレルワークを志向する人は増えつつあるようにも見えますが、やはりまだみんな試行錯誤中なのだと思います。なので、うちはこういうやり方をしているよーという情報がもっと増えれば、全体としての学びも深まっていきますよね!ということでお付き合いいただければ幸いです。

 

パラレルワークや副業で、事業に関わってくれる人を増やせる。

まず、組織にとって、やはりパラレルワークや副業で、事業に参画してくれる個人が増えることはとてもありがたい。それはコスト的にもそうだし、人材の質という意味でも。弊社のように小さな企業にとって、いい人がいたからといってどんどん「一緒にやりましょう!転職してください!!」とは、なかなか言えない。一緒にやりたいなという人に限って忙しい人であることも多い。なぜなら本当に良い人材であればすでに今の会社の仕事が楽しく忙しい可能性も高く、採用活動をやっても応募してくれるような方ではない。(しかも、ぶっちゃけ年収もお高そうです。笑)だから、パラレルワークや副業といった選択肢がなければ一緒に仕事をできる可能性はゼロなわけです。

そういう背景があるので、平日の夜とか土日とかに限定された状況であっても、事業に関わってくれるとしたら、これは本当に貴重です。ただ相手もそんな選択肢があるという発想も持っていないことが多いですよね。ですから良い人がいたときに、こんな選択肢がありますよとしっかり打診できるように、切り出せる仕事が何なのかを、ある程度リストアップして整理しておくということが重要だなと。例えば、弊社、ローンディールという会社で言えば、コミュニティやメディアの運営、メンターといった業務*がこれにあたります。

*ローンディールは、大企業からベンチャー企業への「レンタル移籍(出向・研修)」という事業をやっていて、大企業の新規事業の創出や組織変革を担える人材の育成機会として活用いただいています。その際、レンタル移籍する方に伴走し、1on1での対話などを通じて成長を支援していく役割である「メンター」を、業務委託で経験豊富な方々にお願いしています。(もし、我こそはという方がいたらぜひ笑)

 

成長機会になる仕事を用意できるか、がポイント。

このように、うまく仕事を切り出して用意ができれば大きなメリットのあるパラレルワークや副業ですが、実はこの「仕事の切り出し」というのがとっても難しいのです。今の副業解禁に関する議論は制度面のことが中心で意外と忘れられがちな気がしますが、ここが一番のキモだと思います。これは、クラウドソーシングとかの場合も同様の問題をはらんでいると思いますが、結局は単なるタスクレベル(手を動かすことが中心)の業務に限定されてしまうという傾向があります。これが収入を得る目的として自分のスキル・時間を切り売りすることが目的ならばまだしも、副業を通じて何かを得たい・成長したいという意欲の高い個人に参加してほしいと考えている場合には、業務内容においてミスマッチが起こってしまいます。

そしておそらく、一緒に働きたいと思う人であればあるほど、金銭的な報酬ではなく、それ以外の部分での期待が大きいはずです。自分たちの組織が、そういう人に対してどんな機会を提供できるのか、そういう人に魅力を感じてもらうために何ができるのか。それらも踏まえて、組織の中からどの仕事をどうやって切り出して、どう渡せばいいのかを考える必要があるのです。

しかも、一緒に働いたことのない人が、実際のところどんなパフォーマンスを出してくれるか、どのくらいの期間でアジャストしてくれるか、相手のスキルレベルもわからないし、共通言語もありません。そういう中でうまく立ち上げるためには、なるべく最初は結果を出しやすいだろう仕事(本人が得意だと言っている領域など)を用意して、個人に副業でも貢献できるんだという感覚を持ってもらとよいようです。

 あと、そこまでやったとしても、そんなにすぐにバランスが取れるとは限りませんので、少なくとも数か月間は試行錯誤をしてみるというスタンスが重要だと思います。

 

 個人は「何ができるか」を明確にしておく。

このあたりの仕事の切り出しについては、働く個人の側にもぜひ理解しておいてほしいポイントです。組織側がそのような状況であることを踏まえ、働く側の個人が何か明確に「これなら貢献できる!」ということを表明してくれたり、業務を取りに来たりしてくれると、とってもやりやすいわけです。

そうやって、その個人と組織の間で一つ成功体験ができると、それを基点として仕事を進めやすくなります。ですから個人の側としては、ある程度環境が変わってもこれは貢献できる、通用する軸を作ること、そしてそれを明確化しておくことは、副業のチャンスをつかむために重要なポイントになりますね。

 例えば、リノベーションの会社で働きながら、週に1回程度の頻度で弊社にも参画してくれている及川静香さん。もう1年半くらいの付き合いになりますが、最初は仕事での接点もまったくない状態で、たまたまあるイベントで及川さんが登壇しているのを見て知り合った程度でした。たまたま一緒にランチをした時に及川さんが副業に興味を持っているという話題になって、ちょうどその時に弊社で大きなイベントを控えていたんです。そうしたら彼女から、「イベントの進行管理とか広報周りのことなら手伝えますよ」という提案をしてくれて、「じゃぁ、お願いします」となりました。その時に100人規模のイベントを一緒に実現させたという共通の成功体験ができました。その後は、コミュニティづくりを中心にしつつ、メンター業務やイベントの企画なども幅広く担当してくれています。本業では広報をやっているので、それ以外の業務を中心にお願いするということを前提に、一方で彼女の強みであるコミュニケーション能力の高さを活かせる案件は何だろうか、と考えて仕事をお渡ししています。今では「コミュニティマネージャー」という立場で、弊社にとってはなくてはならない存在になっています。

つまりまず、仕事内容という点において、組織側は個人の成長機会として提供できる業務としてどんなものがあるかをしっかりと整理し、組織の必要性と個人の要望を少しずつすり合わせていくこと。一方の個人も、提供できるものを整理し、発信し、能動的に仕事を取りに行くこと。このあたりが重要ではないかと思います。

なお、これは当たり前の話ですが、フルタイムではないからといっても事業への共感は必須です。なぜうちで働きたいと思ってくれたのか、そこで何を得たいと思っているのか・・・そういうことについてはしっかりと話し込んで、見極める必要があります。個人にとっても、わざわざ本業とは別の時間、オフの時間を活用するわけですから、単に仕事内容だけではなく、自分が本当に共感できる事業なのかどうかを、しっかりと見極めるべきだと思います。

 

コミュニケーションにおけるお互いの努力で、間を埋める。

次に、コミュニケーションについて、です。弊社でうまく一緒に仕事をできている人の場合、例えば毎週○曜日の○時~○時・・・という風に、業務に取り組んでいる時間は決まっているとしても、常にコミュニケーションはできる状態でいてくれるという傾向があります。実際に手を動かす時間は限定されていても、通信状態は常にONになっているという印象です。今のメンバーだと、半日以上会話が滞ることはめったにありません。そうなると、もはや単にリモートで働いてくれていて、たまたま目の前にいないだけなのではと錯覚してしまうほどです。

そうやって円滑に進められるように、こちらも極力レスポンスを早くすることを心がけています。個人が何かメッセージを発してくれたということは、おそらく手が空いている時間帯、だからその場で会話が片付くように、できる限りこちらからの応答は即レスで行う、といった感じです。

あと、定例会議は毎週行っています。そこには参加できない人もいるので月1回のもう少し長めの会議も設定しています。そのような場などを活用して、基本的にリモートで動いてもらっているとしても、週1回くらいは数時間でも同じ空間を共有するようにしています。作業をしている内容はうちの仕事じゃないとしても、ふとしたタイミングで他愛のない会話ができる状態というのは重要だなぁと思うのです。

さらに、私自身が日報とかを書くということを頑張っています。それも、何か業務内容を事細かに書くというよりも、自分が感じていることなどを中心に。そうすることで、日々どんなことが起こっているのか、少なくとも1日に1回くらいはうちの会社のことを思い出してもらえる、ということが大事なのかな、と。しかも、そういうものの蓄積は馬鹿にならなくて、定例会議とかでの情報共有がスムーズになります。さらに相談事があったらどんどん投げる、といったことも結構積極的にやっています。そうすることで、個人からしても業務を取りに来やすくなるということもあるだろう、と。

 

報酬や労働時間は大まかに決めて長い目で見る。

報酬について今は月○万円、という形で一律にしています。時給とか案件ごと、とかではなく。もちろん、本業があって忙しい時期があったり、逆に落ち着いているからこちらの仕事に時間をさける時期があったり、どうしても波があります。だけど、それをいちいち評価していてはそれこそ時間が勿体ないなと思います。ですから、直近のパフォーマンスでどうこうということは言わず、尺度を半年とか1年とかそれぐらいのスパンで長めに見ています。

業務時間を、都度、管理するというのも現実的ではありませんよね。きっと、本業の仕事で疲れて休憩しているふとした瞬間に、ちょっとうちの会社のことを考えてくれたり・・・ということはたくさんあるはずです。ですから副業を受け入れる側の条件として、杓子定規に何時~何時まで、みたいな制度にはしない方がいいのではないかな、と思うのです。

 

個人と組織の新しくて大切な関係が作れる。 

つらつらと書いてきましたが、個人・組織それぞれのポイントをまとめると以下のような感じでしょうか。 

【個人】

  • 本業でちゃんと技を磨き、明確な強みを持つ。
  • 事業に共感できる仕事を選ぶ。
  • 自分から仕事を取りに行く。
  • レスポンスは早く。
  • リアルな場も大事にする。

【受け入れたい組織】

  • 個人の成長機会としての仕事を考える。
  • 最初は個人の強みが活きる仕事を振る。
  • レスポンスは早く。
  • 情報共有を丁寧に行う。
  • あまり近視眼的に評価をしない。

最後に、それぞれにとって一番大切だと思うことをご紹介します。

まず個人にとって。それは本業と繋ぐことを常に意識しておきましょう、ということです。業務内容や事業領域などが全く異なっているとしても、何かリンクすることが出てくるかもしれません。それは人脈かもしれないし、普通に仕事をしているだけでは浮かばない発想かもしれません。完全にスイッチを切り替えるのではなく、常にちょっとずつ混ざっているような形で仕事をすることで、思いがけない発想や成長機会などに出会えるのではないかと思います。

次に組織にとって。事業に共感してくれていて、かつ副業・・・という個人の意見は非常に重要だと思います。とくに、「正しさ」に対する貢献が、大きいと思います。生活が懸かっている、軸足がこの会社にあるという状態では、売上や利益といったものに当たり前のように制約を受けてしまいます。しかし、副業の場合にはその軸足が必ずしもここに無いので、だからこそ本来どうあるべきか・・・といった視点で議論がしやすかったりします。これは、そちらの方が良いということではなくて、そういう視点を加えることができる、という意味でとても重要ではないかな、と思っています。

組織にとっても個人にとっても、パラレルワークや副業というのは有意義なことだと、身をもって感じています。ただしまだ双方にノウハウがないため、かなり意識をして取り組んでいく必要がありますね。

そして、事業をやっている身としては、事業に対する人の共感があってこそ。だから、常に常に課題を深く捉えて、正しさをぶらさずにいなければいけないなと。そして貴重な時間を割いて一緒に事業を進めようとしてくださる方々に感謝をしながら、とどまることなく前に進んでいきたいと思う今日この頃です。

 

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2018年5月に開催されたイベント前、司会原稿を読む及川さん。この会場が満員になるほどのイベントを切り盛りしてくれています。

ビリヤードがしたいです。

一時期、ビリヤードにはまっていたことがあって・・・やる方はご存知でしょうけどビリヤードには「マスワリ」ってのがあるんですよね。9ボールという競技で1から9まで、一回も外さずに入れきることを言うんです。で、これができる人とできない人でちょっと一線引かれるんですが、どうしても自分はそれができなかった。

 

けっこう難易度の高い8番は入れれても、なぜか最後の9番を外しちゃうんです。なんか最後の最後で、ぴゃって手を放しちゃう感じになっちゃうんです。はぁ、何の話?って感じかもしれないんですけど、それが結構自分のメンタリティを象徴しているような気がしていて、コンプレックスだったんです。難しい局面、無理だよねって言われちゃうような局面では頑張るんだけど、最後の仕上げの部分でプレッシャーに耐えられなくなって仕上げきれない。

 

ビリヤードではないけれど、今、仕事の状況がそんな感じで、いくつか大事に準備してきたことが少しずつ形になろうとしていて、大詰めだったり、でも、ミスっても言い訳できちゃう程度に手が広がりすぎていたり。今回ばかりは、ぴゃってやっちゃわないように、集中して一つひとつをポケットに入れていく、最後の最後、球際の強さみたいなものを特に意識して、丁寧に仕上げたいと思っています。

 

昔とは違う。プレッシャーに強くなったわけじゃないけど、プレッシャーを受け入れられるようになったはず。たとえば昔は、大人数の前で話すのがとにかく苦手で、手の震えが止まらなかった。プレッシャーを感じる自分を押し殺そうとあがいていた。でも、ある時、そこで震えている自分、緊張している自分を、あぁそういうもんかって受け入れられるようになったんですよね。そうしたら、それで自然になれた。不安や怖れと共存できるようになった。

 

そう。だから、今の自分なら、集中して、焦ることなくできるはず。マスワリ決めてみせます。そういう自分のメンタリティを試すために、久しぶりに一人でビリヤード場に向かったんだけど、貸し切りで試せなかった、というお話でした。仕事に集中せい、ということですね。まぁ結局、何の話?って感じなんですけど・・・。

魔法が解けた感じ。

魔法が解けてしまった感じ、ってないですかね。

時々、何か大きなものと繋がっているような感覚で、導かれるように何かが進むとき、があって、でもそういう感覚は、ふっと消えてしまう。うまくいっていたことがすべて偶然で、全部が一気になくなっちゃうんじゃないか、ってどきどきする。

今、まさに魔法が解けていて、いかんなぁと思うわけなんですが、目の前で起こっていることはそんなに悪くない。だからもしかして傍から見たらたら、すごく順調そうに見えているのかもしれないけど、実はすごく恐怖感がある。

それってなんでなのかなと考えてみたんですが、「今」がいいか悪いか、っていうのは何かと繋がっていた過去の余韻であって、今の状態がどうかということとはあまり関係がないからななのかもしれません。

大きなものと繋がっている感じ、と書いたけれど、それはなんのことはない。自分が考えうるすべてのことに感覚を張り巡らせ、チャンスを逃さぬように反応し、とにかく手と足と頭とを動かしつづけていたというだけなのかもしれない。

むかし、娘を後ろに乗せて自転車をこぎながら、下り坂って快適だよなー、でも、快適なのは「下り坂」なんだなー、なんて思ったことがある。上り坂を必死になってこいでいる時にこそ、しんどいけど上向きなはず。

なぜか時々、学生時代の夢を見るんですよね。卒業間近に控えていて、学校を自転車でうろうろしてるんだけど、実は単位が足りなくて卒業できないんじゃないかって走り回っている・・・みたいな夢。今朝は、AIの授業をとっていて、その単位が足りない、みたいな状態だったな。(笑)別にそこでそんなに苦労した記憶もないんですけど、何か、大事な何かを一つ忘れちゃっている恐怖感、みたいなものの表れなのかな。目覚めて、あぁよかった、卒業できてた、って思うんだけどね。でも、もしそれが現実でもう一回、学生やらなきゃいけなくなってたら、それはそれで楽しめたかも。と思ってみたり。(もう20年近く前なのに・・・。)

なんか心が沈み込んで、深い海の底にいるような気分になるとき。海の底だとしても、上にあがる過程をどう楽しむか。あがいてあがいて、光が差す道筋を探して何とか上にあがってやろう。やり方は分かっていて、目の前のことに集中すること。やっぱり、「今、ここ」なんだろうな。できうること、出しうるものをすべてぶつけてやっていればきっと何とかなる。

実はしんどい時が、調子は上向きなんだ。魔法が解けた今こそ、次の、もっと大きなものとつながるチャンスなんだ。って。

そう信じて、情熱を温めなおして、またもう一度、歩き出そう。

巻き込み力、について。

これは半ば、レンタル移籍をしている皆さんに向けて、そしてあわよくば、何か新しいことに挑戦している方々に、参考になればいいな、と思って書きます。

 

私がやっているローンディールという会社では、大企業の方々に一時的にベンチャー企業に出向・研修という形でレンタル移籍し、プロジェクトに参加してもらうという仕組みを作っています。特に大きな企業にいた人がいきなりベンチャー企業という後ろ盾のない世界に飛び込むと、当然、社内のリソースも少ないし、パートナーとなるような企業も限られている中で、「周りをどうやって巻き込めばいいか」ということで悩まれるケースがよくあります。実績も知名度もない環境で、周囲の人や企業の協力が必要なんだけど、どうしたらいいかわからない、という壁にぶつかるのです。

 

実績があれば、その実績を根拠に相手が得られるであろう価値を示せる。それを期待して協力をしてくれる人が現れます。でも実績が出る前の段階で、そういうのがないときにどうやって周りから力を分けてもらうかというのはとても難しい。

 

私自身起業して、2年ちょっとの身なので、おこがましい話ではありますが、自分なりに意識していることを共有してみます。ポイントは、以下の5つ。

・自分ごと化して語る。

・恥を捨てて、さらけ出す。

・自信をもって楽天家になる。

・丁寧なコミュニケーションをとる。

・芯を捉える。

それぞれについて、少し解説をしてみたいと思います。こういうのはもっと、いろいろうまくいっている人が書くべきことな気もするんですがね・・・、何かの参考になったらとても嬉しいです。

 

「自分ごと化して語る」

とにかく、なんでこの事業をやっているのか、を語ることがやっぱり一番大事だと思います。実現しようとしていることは、話を聞いたすべての人が同意するようなものではないわけですから(そんなものなら誰かがやっている)、そのアイディアを聞いた時に「あぁ、だからこの人はこんなことやっているんだね」という合点がいくかどうかは大事なんだろうな、と思います。

 

例えば、レンタル移籍で人材を受け入れてもらっているトリプル・ダブリュー・ジャパンさん。いつトイレに行きたくなるかを教えてくれるデバイス「Dfree」を展開しているスタートアップ。ホームページを見ると、いきなり「私、うんこもらしたこと、あるんです。」と。あぁ、だから!!って納得感がすごい。もちろん、そうじゃないいろんな理由や目的があって、起業をしているはずだけど、この一言ですべて合点がいく。

 

そして、自分ごと化して語れるストーリーは、起業家だけに必要なことではなく、そのチームに所属しているなら誰もが持っておくべきだと思うんです。起業家だけでは語れる範囲に限界があるし、ひとつのストーリーしかなかったら共感してくれる人も限られてしまう。せっかく新しいことをやっているなら、そこに参画しているみんながストーリーを持っていたら、強いと思うんですよね。

 

最初はこじつけでもなんでもいい。下手なストーリーでもいいから、ネタをつくっておいて、なるべくいろんな人に話す。友達とかにでもいいので話してみて、受けるところ受けないところを見極めて、ちょっとずつストーリーを磨いていく。とにかく、話しつづけることが大事。話していると自己暗示もかかってくるものです。そうしたら「あーその気持ち、自分もわかる!」っていう人がちょっとずつ現れてくるはず。

 

事業と自分を繋げるオリジナルなストーリーをつくって、語ってみるといいんじゃないかな、ということですね。

 

「恥を捨てて、さらけ出す。」

甲子園が、好きなんですよねー。別に高校時代には野球やっていなかったけど。ぐいぐい引き込まれるし、応援したくなる。それって、何をやっているのか、何のためにやっているのか、どんな状況なのか、いろんなことが容易に想像できるからなんだろうな、と思います。3年生でキャプテンやってるけど補欠、みたいな選手がいたら、2年の冬にけがしたのか、もともと元気さを買われてキャプテンになったのかな・・・とか、勝手に妄想で盛り上がれる。

 

応援する側にとって、状況が分かるということは大前提になります。自分ごと化したストーリーというのもその一つです。ただそのストーリーだけでは足りなくて、それに対して今どんな状況か、ということをわかってもらう必要がある。そしてそれは多少、格好悪い方がいい。

 

Facebookで近況をあげるときとか、ついつい格好つけたくなります。うまくいっているようにアピールしたくなります。でも、そういうイケてる投稿を見て、すごいなーと思っても、別に応援したいっていう気持ちはわかないですよね?

 

他人の不幸は蜜の味。不幸と言わないまでも、苦労してもがいている姿に人は惹かれるんだと思うんです。そして幸いなことに、新しいことやってたら、実際のところ格好悪いことばっかり。だから恥を捨てて、格好悪い部分をちゃんとさらけ出せばいい。別にFacebookとかに限った話じゃなくて、商談相手だったり、社内の人だったり。格好悪いネタをどんどん作って、どんどん自己開示しちゃえばいい。

 

製品やサービスにしたって同じです。完成してから見せるんじゃなくて、未完成の段階から見せることが大切ですね。(ちなみに本人としてはいたって真面目に完成していると思っているのに、はたから見たら未完成みたいな状態、がベストかな。)そしてそれを断片的に見せるのではなく、変化を継続的に見せる。そうすることで相手の中でストーリーができていって、応援したくなっていくんだと思うんです。

 

状況が分からなきゃ、応援なんてできません。うまくいってるばっかりじゃ、応援しがいがありません。だから、どんどんさらけ出せ!!ってことですね。

 

「自信をもって、楽天家になる」

私の大好きなCMで、「恐れることを恐れるな」ってオシムさんが言うやつがあるんですが、ご存知ですかね?その中でオシムさんが問うんです。「自分を信じられない人間を、どうして他人が信じられるだろうか」って。もうその通りだな、と。

 

オシムさんは言います。「今、この時代において、自分に自信を持っている人間はそう多くはない。恐れることを恐れるな。進め。」

 

自信って何でしょうか。自信にもいろんな種類があるでしょうけど、物事の成るか成らないかではなく、今、自分がやっていること自体に、ちゃんと自信をもっていることが大事だなと思うんです。成功する確率の高低で自信を持てるわけじゃない。最初の話と被るんですけど、「なぜ自分がこれをやっているか」をクリアに話せるかどうか、それが自信だと思います。

 

そして、それがクリアになってしまえば、失敗もさらけ出せる、そして、応援してもらえる人が増える。自信を持つと、そういうサイクルが回り始めるんじゃないかな。しかも、そういうサイクルが回りだすと、いっぱい失敗した方が、お得になる。だって、ネタが増えるから。そう思ったら、楽天的になれませんか?失敗した時にもすぐ立ち直れる。

 

あともう一つ付け加えておくと、結局、自分が失敗しようが、別に誰も大して気にも留めないし。失敗した時にも、周りに残ってくれるのは、格好悪いと思わない人だけです。そうじゃない人は、すっかり忘れます。

 

だから、別に大丈夫なんです。失敗したって、恥かいたって大丈夫。「今」に自信をもって、結果とは切り離して楽天的になって、とことんやれば大丈夫。

 

「丁寧なコミュニケーションをとる。」

いきなり話が飛びますが、ビジネスマナーとか、コミュニケーションとか、相手にちゃんと知ってもらう、覚えてもらうための工夫っていうのはすごく大事だと思うんです。

 

例えば、アポイントを取るとき、こちらが会いたいと打診をするのであれば、ちゃんと候補日を提示する。(会いたいんですけど、いくつか候補日くれませんか?っていう方がたまにいるんですけど、候補日、出したりするのすごくめんどくさいし、やっぱり3つくらい候補日を出すのがマナーだと思うんですよね。)

 

誰かに人を紹介してもらって会ったら、やっぱりその後に、紹介してくれた人に結果を報告すべきだと思う。

 

交流会とかで知り合ってFacebookで友達になってくれたら、やっぱりお礼のメッセージくらいは送った方が良いと思うし、その時に、自分がだれで何者かを一言添えておくことで、格段に覚えてもらえやすくなる。

 

年齢や役職などで態度を変えない方がいい。なるべく愚痴は少ない方がいい。

 

・・・などなど。自分も全部はできてないし、起業した直後はできていたのに最近ずさんになっていることもあったりするので、多分に自戒も込めていいますが、やっぱり丁寧にやる、相手のことを尊重してやるっていうことはとても大事なんだと思うんですよね。それがないと、応援する気になんてならない。

 

そういう点において、ビジネススキルを磨いておくことは当たり前ですが必須ですよね。思考力や文章力みたいなものもそうだし、会食などのマナーも含めて。こういうところで相手の気持ちが離れてしまったら勿体ない。

 

「芯を捉える。」

これはとっても難しいことだと思うんですが、芯を食っているかどうか、っていうのは大事ですよね。論理的に考えるとそうだよねー、って思うだけでは、なかなか相手にも響かないと思うんです。

 

例えば、私が取り組んでいる「レンタル移籍」という事業にしても、いろんな言い方があって、いろんなプランが作れて、何度も何度も資料を作り直したりしてきたわけです。で、同じビジョンで、同じ目的のために提案しているのに、全然刺さらない、みたいなことが起こるんです。あんなに応援してくれていた相手に話しているのに、全然手ごたえがない、みたいな。そういう時、あぁ芯を外してんなぁ、って気づくんです。

 

ちょっと抽象的で伝わりにくいかもしれないんですが、外側じゃなくて、芯の部分で相手の心を捉えられているか、ってことが大事だと思います。これ、説明するのがとても難しいですね。一度、芯を捉えた場面や手ごたえみたいなものを経験できるとわかるようになる気がします。そう考えると、とにかく打席に立って、バットを振り続けるしかないのかも。

 

起業家の近くにいるのであれば、たくさん同行させてもらってバットを振っているところを見せてもらうといいかもしれません。そうしたら、彼らもたくさん空振りしていることにも気づくでしょう。そして、芯を捉えたら、どうなるかも見れるはず。そういう水準に達した言動をできているか、それに達するにはどうしたらいいか、日々試行錯誤していることは大事だと思います。

 

と、いうことで、周りを巻き込むためのポイントを5つ挙げてみたのですが、いかがでしょう?

 

自分ごと化して語れるストーリーを作って、恥を捨てて、さらけ出す。自信をもって楽天的にやる。ビジネススキルをしっかり身に着けて、相手の立場を意識して丁寧なコミュニケーションをとる。そして芯を捉えられているかどうか、感覚を研ぎ澄ます。

 

書きながらいろいろ反省したり、気づいたり私も少し整理ができたように思います。ぜひ感想、お聞かせいただけたら嬉しいです。

ハードワーカーは、だめですか?

ハードワーカーって時代遅れなんでしょうか?

 

NHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」、好きなんですよね。あの番組に出てくる方々って、師匠とか上司とかからめちゃめちゃ厳しい指導をされたり、四六時中葛藤していて悶えている。そうして何かを乗り越えていく人たちのストーリー。ちょっと古いけど、「下町ロケット」とかも、面白かった。(リアルタイムでは見れなかったので今更引き合いに出しているわけですが・・・。)何日も徹夜で試行錯誤して目標に達しようとする挑戦者たちのドラマ。働き方が変わったら、こんなドキュメンタリーやドラマも人気がなくなってしまうんですかね?

 

やっぱり、いつの時代だって、何かを「命」と見立ててハードワークしている姿に、人は心を打たれるんだと思うんです。

 

そして、そういう働き方って、ごく一部の限られた才能のある人だけ、何か自分がなすべきことと出会えた運のいい人だけにしかできない類のものじゃなく、きっと誰だって、そういう働き方ができるんだろうと思うんです。

 

昔、それこそ「プロフェッショナル」で、たしか高倉健さんが「プロフェッショナルとは?ぽーん」のあとに、「生業」といっていたんです。それが、ものすごく良くて。「生業(なりわい):生活を立てるための仕事。家業。職業。」です。誰だって、何かしらの仕事をしてお給料をもらって生活しているのであれば、それが「生業」ということですよね。

 

目の前にある仕事。その目の前の仕事が、自分にとって唯一無二のものであると、天職であると思い定め、向き合ってみる。何かしらそこに、自分にしかできない価値の出し方を付加してみようとする。昨日より今日、今日より明日、少しずつでもより良くなるような変化を与えてみようとする。そうして、気がついたら四六時中考えている。楽しいとか楽しくないとか、ではない。当たり前のことを当たり前にやっている、という感覚。だから、労働時間がどうのという話は一切関係なくなっちゃっている。そんな状態。 

 

やっぱり何かに対してそういう向き合い方をして、強くなるんだと思うんですよね。何のために強くなるかっていう目的はそれぞれだろうと思うけど。私の場合は、家族とか自分の人生を大事にしたいから、強くなりたいと思う。だから、そういう仕事の仕方をしていたいな、と思うんです。

 

すごく単純な話で、実際には多くの人がそういう働き方をしているような気もするんですが・・・なんか、大きな声で言えない雰囲気が出てきちゃっているような気もするので、あえて。

 

ハードワーカー、かっこいいじゃん。

 

 

【イベントのお知らせ】

6月13日に、私のやっている事業の事例紹介イベントをやります。中堅企業の取締役の方が二人だけのベンチャー企業にレンタル移籍して、ハードワークした話を伺おうと思います。ハードワーカーの皆さま、ぜひぜひご来場ください。

loandeal31venture01.peatix.com

 

 

 

「できる仕事」と「できない仕事」

諸事情あって、ブログなんて書いている場合じゃないんですけど、なるほどーという気づきがあったのでちょっとだけ。

 

皆さんは今、「できる仕事」と「できない仕事」のどちらをやっていますか?むかし一緒に働いていた仲間と話していて、そのどっちをやっているかによって時間とともに明らかに「差」がついてくるね、という結論になりました。

 

30代も半ばくらいになってくると誰が出世して、誰が出世してなくてみたいなのがだんだん出てきますよね。その時にやっぱり「できない仕事」をやってたやつの方が上に行っている気がするんです。(必ずしも組織での出世という話にしたいわけじゃないんだけど、そこはいったん単純化して話します。)

 

「できない仕事」やっている奴は、やっぱりできないからよく上から怒られたり、失敗したりしている。でも、やっぱり「できない」なりにストレッチがきいていくので、少しずつは成長していく。悪意はないけど自分勝手で、でも一生懸命だから応援したくなっちゃう、みたいなひとかもな。

 

「できる仕事」をやっている奴は、貢献意識が高くて、もしかするととってもいいやつ。だけど、自分のできるラインを超える機会がだんだん減っていくから、どこかのタイミングで平均的な仕事に埋没してしまう。

 

最初はみんな、つまり新入社員のころは「できない仕事」しかないわけだから、みんな成長するんだけど、数年たつと徐々に、どっちを選ぶか、というのが出てくる。それに「できない仕事」を選んで怒られるのはだれだっていやだから、時間とともに「できる仕事」に多くのひとが移行していく。はたしてどこまで「できない仕事」を選び続けられるか、我慢くらべみたいな感じかも。

 

単純にどっちを選ぶかみたいな話にしちゃったけど、おそらく多くの人にとってそれは比率の問題だと思う。ある程度「できる仕事」が増えてきた状況の中にあって、「できない仕事」を選ぶって意外と難しいことかもなぁと。ちなみに、「できない仕事」って、難しい仕事とは全然違うと思うんだけど、難しい仕事やってれば、充実感もあるしね。 

 

「できない仕事」が、今自分の眼前にひとつでもあるだろうか、そんなことを問いかけながらやっていくのが、いいのかもしれないな、と思うんですがいかがでしょうか。

 

ちなみに今の私の眼前には「できない仕事」が山積していて・・・ああ、単に自分を慰めたくて書いただけかもな。ということに気づきましたとさ。

 

では。

100年人生の人たちが働く未来企業ってどんなだろう。

ちょっと今さら感もありますが、リンダ・グラットンさんの『LIFE SHIFT』を読み終わってから、またまた読みかけだった『未来企業』を立て続けに読んでたらちょっと頭が混乱したので、その話を。

『LIFE SHIFT』では、平均寿命は100歳を超えて80歳くらいまで働くことが当たり前になって、そのキャリアはパラレルになることもあるし、全然違う職業へ転身(変身)する能力が求められるようになるということが指摘されています。有形資産だけではなく無形資産を蓄積すべきという話や、人生の途中での学びなおしの必要性なども、100年人生と考えたときにはとても納得感があります。

一方で、『未来企業』は、不確実性の増す世界では企業にレジリエンス(ざっくりいうと適応力、回復力、弾力性)が求められるという話です。そして、企業におけるリーダーシップには、組織を後世に持続させる可能性を重視し長期的(25年以上)な時間の幅で戦略を立てる能力が必要になってくると指摘されています。これもまた、仰るとおりだなぁと思うわけです。

ちょっと余談になりますが、(正確な数値は忘れましたが)創業家が代々継いでいる企業の方が利益率が高いとか、イノベーションを起こしやすいと聞いたことがあります。これは子供や孫に組織を譲りたいという思いが強いからでしょう。また、300年以上続いている企業の半分以上が日本にあるそうです。このあたりのことから考えると、『未来企業』に指摘されているような長期視点を持ったリーダーシップというのは、日本企業の強みなのかもしれないなぁと感じます。

話を戻して・・・

『LIFE SHIFT』に書かれている個人の視点、『未来企業』で指摘される企業の視点、それぞれに納得感があるものの、これをどうやって両立させるのはとても難しいことだな、と思うのです。

個人が人生を充実させるには画一的なキャリアは回避すべきだが、企業のリーダーとなるべき個人が長期的に企業の成長を考えるためには、それなりに長期間にわたって企業との関係を維持していることが必要だと思うわけです。では、リーダーとなるべき個人は変身をあきらめざるをえないのか、変身能力は低いが長期視点を持てる人がリーダーとして適性のある人なのか。

平たい言い方をするなら、どんどん他の会社に移っていくようなキャリアの中で、それぞれの企業の将来、つまり自分が辞めた後の企業のことを考えながら戦略を考える、なんてことのできる人って、どれくらいいるものでしょうかね。

『未来企業』の中に書かれていた話でちょっと印象的だったのは、「一般的に後継者選びの担当者は70~80%を社内で育成し、残り20%は社外から幹部として招聘している」という話です。さらっと書かれているんですが、もちろんこれは日本企業の話ではありません。(ちなみに東証一部上場企業のうち、新卒社員が代表者となっている企業は全体の60%だそうです。)つまり、企業がリーダーを決めるときには企業文化や価値観との適合性というのが重要視されるというのは万国共通のようです。

個人のキャリアにおいては選択肢を広げられる能力の蓄積が求められ、企業には今以上に長期視点が求められる。こう考えると、個人は単に転々と新しいキャリアを求めるのではなく、何かしらの軸(これが、例えばある特定の企業という軸)を持ったうえで選択肢を広げるというやり方が良いのではないかな、と思うのです。これ以上書くと、ポジショントークになっちゃいそうなので、このくらいにしておきますが、ぜひ他の考え方やご意見があれば、教えていただけたらとても嬉しいです。

いずれにせよ、働き方についての話がとても増えていく中で、個人としてどうあるべきか、企業としてどうあるべきか、両方の視点を行ったり来たりしながら考えないといけないんじゃないかなぁと思う今日この頃です。

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